深掘り特集 | OpenAIが語るOpenClaw:AIが「エンジニア」の定義を再構築中、プレーの心構えでAIと向き合う

AIとエンジニアの関係性を示す図

OpenClawのコンセプトを説明するイメージ

画像出典:YouTube

ハイライト

  • これは「AIを使ってコードを書くだけ」を超えたレベルの変化であり、生産性の向上から、エンドツーエンドの構築とデリバリーの実現への飛躍的な進化を意味している

  • 多くの開発者が新しい技術に出会ってから真の高効率に到達するまでの過程で立ち往生する。彼らは環境設定に過剰な「最適化」を行うが、実際は「もっと効率的になった」という錯覚に過ぎない

  • 真に最適化すべきはコードベース全体であり、それは共同作業に適した構造や持続的な進化に資するものであるべき——現在も同じ。エージェントが最高のパフォーマンスを発揮できるよう、コード基盤を整えることが求められる

  • 「プレー」の心でAIと向き合うこと。手を動かす経験があれば、やりたいプロジェクトをとにかく形にしてみよう。心に描いたアイデアがあれば、思う存分に楽しみながら取り組めばいい。

《Builders Unscripted》はOpenAI公式のプレイベントで、突出した開発者にフォーカスしたハードなトーク番組。2025年2月25日の初回回では、Peter Steinberger氏がOpenClawやオープンソースへの取り組み、Codexを使った構築について熱く語った。

Romain:Peter、OpenAIへようこそ!

Peter:招待ありがとう!

Romain:この何年もツイッターで交流してきたメンバー同士が、Versaのオフィスでこうして一緒に時間を過ごせるのは感激だ。

Peter:同感だよ。このオフィス、とても素敵だね。

コミュニティの盛り上がり:オンラインから世界的なオフライン現象へ

Romain:ありがとうございます。ここ最近数週間は目が回るほど忙しかった。実は1ヶ月前には一緒に動画を撮ろうという話もあったけど、あの頃は前提知識が必要だったかもしれない。今となっては、ほぼ説明不要というくらい、オープンソースプロジェクトがウォールストリートジャーナルの前面に取り上げられるなんて、そうそうある話じゃない。本当におめでとう。今、どう感じている?

Peter:正直、いろんな意味で情報過多で、少し申し訳ない気分でもいる。でも率直に言って、そもそも年明けからAIで人をエンパワーメントしようとしていたから、今こうして多くの人が関わってくれて、 diffusée するのは僕にとっても本望だった。それだけにこの「到達点」みたいな感覚は、自負の気持ちと共にあるな。

Romain:この間は本当に興味深かった。この1週間、サンフランシスコで開催されたCodex Hackathonをはじめ、各種イベントに参加し、OpenClaw関連のローカルミートアップも主催した。

Peter:あれはコミュニティ主導の取り組みなんだよ。誰かが「オフラインで集まろう」と言い出して、DiscordチャンネルでMeetupの議論が始まった。でもいざ当日、なんと1,000人近くが集まった。そのクリエイティビティには圧倒されたよ。会場の設計も雰囲気も色彩も、さまざまなアイディアやプロジェクトが溢れ、参加者一人一人が未来に向けて情熱を注いでいた。

Romain:その時に「 supernatural なものが生まれたと実感した。数週間前までは存在すらしなかったプロジェクトが、今や何万人もの人々に触れられ、支えられ、特別にサンフランシスコに集い、交流する……その変化自体が信じられないスピードだった。

Peter:来週ウィーンで開催されるイベントでも300人以上の登録が集まっている。テックシーンが小さめなローカルのコミュニティでも、その熱気だ。驚異的だよ。

Raim:今や世界中に広がり、一種の「現象」になってる。

Peter:同感。世界中の大陸、文化を超えて広がってるから。

Romain:その通り。で、この数日コミュニティとの交流を通じてどう感じた?新メンバーも増えて、GitHubの維持者も増えてきた。 pudieron intercambiar 9 カ月にわたった取り組みを振り返って、どう思う? ----

Peter:特筆ものだったな。みんなプロジェクトを心から愛してくれてる。その一方で「成熟した完成版を早く見せて!」と期待する人も多い。でも僕にとっては、1年を通してしばらくは、個人的な「実験場」だった。AIが持つ可能性の広がりを直に体験してきた douze カ月間だったからね。開発者にとってまさに「黄金時代」という感じ。

開発者の黄金時代:AIが「開発者」の定義と作業スタイルを再構築中

Romain:今このタイミングで builder として面白いと思うポイントは何だろう?まさに今という時代は「特異点」と言っても過言じゃない。ツールチェーンそのものが変化中で、「開発者」の定義が再定義されつつある。もはや「誰でも何でも作れる」時代が訪れた。

Peter:新しいテクノロジーに触れた時のあの「ドーパミン高揚感」は忘れられない。最初に使ったClaude Codeで、40%くらいの成功率でもとにかく「出来た!」という感覚は衝撃的だった。「何でも作れる!」。ソフトウェア開発の難しさは今までどおりだけど、圧倒的なスピードで物事を推進できる今の時代は「開発者にとっての黄金期」と言えるだろう。

Romain:私も同感。2011年か2012年くらいにお前がPSPDFKitの開発をしていた時と外から見ていて、「開発者の夢」を実現したな、と感動したよ。問題を見つけてソリューションを提供し、それをコアに会社を作って、スケーリングさせて、M&Aまで実現して……と。でも君のその時のリアルな体験は、表面的には想像できないくらいシビアだったはずだ。

Peter:「PDFフレームワークを作ろう!」とある日突然決めたわけじゃない。僕の興味リストでは下から数えた方が早かったくらい。物事は自然に流れていって、奇妙なバタフライ効果みたいな感じ。Nokia勤務時代から、友達のニーズを拾って、ビザの手続きが滞って……と、一連の偶然の出来事が最終的に会社を創る決断に繋がった。

Romain:でもその後、PSPDFKitを手放されてしばらく休業期間があったけど、今度は何に駆り立てられてこの業界に戻ってきたの?

Peter:結局リミットまで達してしまってた。13年という長きにわたり、会社の運営はハードで、起業家という職業はもっとシビアだった。初回の起業でストレスマネジメントの方法もわからず、完全燃焼状態で、一度心身共にリセットが必要だった。

それでもテックニュースは見ていて、「GPT Engineer」(当時はChatGPTの早期バーション)が発表された時は面白い、程度には感じたけど劇的に心を動かされることはなかった。新しい技術は実際に触った時に初めてその力を実感できる。当時の技術も当初は共感を得られなかったが、使い込む内に根本的な可能性を感じた。「もう一度何かを生み出したい」と思った時、従来型のテック領域でプロジェクトを構築する気が全く起きなかった。世界も前進していたし、多くのプロダクトが再構築される必要があった。

その時、僕は既存スキルからの転向に「痛み」を感じた。幅広い知識は持ってるけど、agentic engineeringの支援なしに、その能力を新領域に移すには多くを学ぶ必要があった。「まずは、AIの方をやってみよう」そう思った。

本物の衝撃体験は、放置していた半完成プロジェクトにCodexをぶつけてみた時だった。完全に放棄していたプロジェクトに今まで書いたコードをMarkdownファイルに1.5MBという膨大なドキュメントに纏め、当時のGemini Studio 2.5に突っ込み spec を生成させて、それを再びCloud Codeに投げ込んで Build し、メインモニターで他作業をしながら、サブモニターで数時間放置……そんな中、突然「今プロダクションレデイ!100%準備完了!」と返ってきた。Claude 3.5 Opusみたいなハイエンド版での話。早速実行しようとすると即クラッシュ。そこでPlaywrightを繋いでMCPコマンドを実行し、ログインフローの構築や Twitter を含む各所のテストを実施。1時間後、機能的に動く段階まで到達した。成功体験は衝撃的だった。

Romain:開発者なら「誰もが新しいアイディアを思いつくが、それを完成させるのが一番難しい」という現実も知ってる。

Peter:そうそう。その「完成」の難しさは痛感している。OpenClawを開発する中で GitHub を xác nhận してみたら40以上のプロジェクトを1年中に完成させてた。その中の半分はOpenClawそのものに取り込まれた形。

Romain:それってすごく興味深い。GitHubを確認したら、年初は緑が薄かったのが12月には真っ青になっていた。一体何が起きたの?

Peter:各世代のモデルがどんどん賢くなってるだけじゃない。agent自身の能力向上もある。加えて、その活用方法や自分の workflow が洗練されてきた。多くの人は従来のコーディング方法を踏襲して「Vibe Coding」と呼んでいるが、僕から見るとそれは「スキルとしての AI」を「バズってみたけど弾けた」的なもの。個人的には、段々と「プロンプトをどう工夫すれば効果的か」「処理時間のパターン」の「直感」も掴めてきた。処理に時間がかかる時は、プロンプトのミス、アーキテクチャの問題、思考の矛盾……等を疑う。「これはそもそも自然に当該コードに溶け込むタイプの実装なのか?」をふと感じる。その判断力は時間と共に蓄積されていく。

エージェントの罠(Agentic Trap)から抜け出す:シンプルに、コアな問題に集中せよ

Romain:じゃ、このレベルの効率まで到達するにはPeter流のセットアップは具体的にどんなもの?君も度々話していたけど、多くの人は開発環境を過剰に最適化過ぎて高い壁にぶち当たってる。

Peter:それが「エージェントの罠(Agentic Trap)」。新しい技術とのファーストコンタクトから真の高パフォーマンスに到達する過程で多くの人がそこで足踏みする。彼らは限界まで自分の環境を「ズラリ」いじりまくる。でも、そうして「もっと効率的な気がする!」という「主観的な充実感」しか得られない。一見忙しそうで高度に見えるけど、実際のアウトプットは何一つ増えていない。

僕は「とにかく会話的に」捉えることを推奨してる。モデルとのやり取りは従来のペアプログラミングの概念を超えていて、ISS(Issue-Solution Session)的で、要は絶えず続く会話。「俺の意図を明確に教えておけ!」を実践してる。具体的にはモデルに「何か問題点は?」と尋ねる。彼らはデフォルトで問題解決に動き出して、仮定を置いて実行に移す。でもリオ、その「仮定」が必ずしもベストな選択とは言えない。彼らのトレーニングデータには古くて既に陳腐化したコードも多く含まれてる。「問題点は?」で意思疎通を図るのが正解 Strategie なんです。

「何か問題点は?」最重要な質問。彼らは新しいセッション毎に「コードの全貌が見えません!」状態から始まる。各会話の中で検索、関連コードスニペットを特定、手元の課題解決をする。でもシステム全体の完全な俯瞰はまず無理。だから「まず自分の頭の中でフルピジョンを描いて、モデルを導いてあげる」必要がある。Codexは全体像を把握してから始めるタイプで、機能性が高い。僕のワークフローは極めてシンプル。worktreeの類も使わず、checkout 1 to 10といった具合。

シンプルさを保つことで、コアな問題に集中できる。複雑なブランチングストラテジーはむしろ致命的。各問題モジュールに焦点を当て、プロジェクトがそこそこ大きくなった時には逆に「相互のバッティングが起きない軽量な並行処理」が可能になる。

Romain:OpenCloudの開発でもCodexを多用していたが、他にどういう変化が起きてる?

Peter:多くのツールを試したが、現在最も信頼を置いているのが Code x 。正しい答えを「即 sitting 」できる成功率が圧倒的に高い。すべてのツールの中で「即コーディング完了!実行まで完遂!」状態が多発する。GPT-5.2の躍進は「量子的飛躍」と言っても過言じゃないレベル。「必ず動く!」の実感が桁違い。未だに驚きの域だけど。

Romain:最高!

Peter:誰もが「とにかく手を動かしてモノ作りを始める」べき

Romain:以前、自らもコードを一行一行読まなくてもリリースするようになった、その変化の経緯は?

Peter:大半のコードは「地味な変換作業」に過ぎない。データ構造AをBに変換して、ユーザーインターフェースに表示、次システムに転送……そんな典型的な処理が多い。だからこそモデルが生成したコードは「大体の構造が想定通りか?」だけを見て「概ね OK」で通す。前職でソフトウェアエンジニアのチームを率いた時、部下が書いたコードが「自分の理想の書き方」と完全一致することは滅多になかった。

真の最適化すべきは「コードベース全体を collaboratie で持続的に進化しやすくする」こと。今はそれに尽きる。エージェントが最大限のパフォーマンスを発揮できるか否かは、コード設計に左右される。そこには「人間が読みやすい=エージェントも読みやすい」ではない可能性もある。生成されたコードが自分の理想と全く異なっても「取り敢えず動けばそれで OK」Promptで「このスタイルで!」とリードすることもできるけど、多くの課題には「唯一無二の正解は存在しない」。後々性能問題等が発生すれば、その時点で最適化を施せば OK。先に動く状態を作ればいいので、必要な時に磨けばいい

Romain:先程の「コードの価値」観の変化は、オープンソースへの僕の見方も変えていた。OpenCloudで今2,000もの PR が放置されてる。かつての「コードが価値の源泉」時代は、各 PR を逐一精査していたけど、今はそれらを「プロンプトリクエスト」的に捉える。

大事なのは「具体的な実装コード」ではなく、「背景にある意図や方向性」。コードそれ自体はモデルが再構築、リファクタ、再生成しても OK。

Peter:時には PRの処理に時間がかかる。外部のコントリビュータに比べて「モデルは無害」と信じてる分、より慎重に見る必要があるけど、PRをレビューする際は「こいつの意図は?」とまず最初にモデルに聞く。

なぜなら「実装」自体よりも、「問題の本質」がそもそもの関心事だから。「 Issue = 提案の意図のまとめ」的なもの。多くは「Yield Agent」の方法論が未熟で、局所的な解決策」を提示するに留まってる。

「小修正に見えるけど果たしてそれだけでいい?」という具合の判断は、システム全体のビジョンが見えていないと出来ない。「この修正はもしかしなくても根本的なアーキテクチャの問題じゃないか?」等、ローカルに見える修正もシステム全体の文脈で見ると全く異なる構造的問題かも。その前段階で「モデルと模索しながら、最適解はどれか?」と対話する。

WhatsAppのメッセージ処理だけの問題か、Signalでも同様の影響があるのか……?それだったら「不具合修正というより、汎用性の高い Modifier 」として捉えるべき。そもそも「新機能の要否」も一緒に問い直すべき。

Romain:それを音声入力で実践してるんだね。文字よりずっとラク。

Peter:そうなんだ。方向性が固まったら、Slash Command(例:LPR)を叩いて「ブランチ作成 → 修正一式 → PR マージ」まで自動化。コミュニティへの貢献意識も高く、一連のフローに時間を要しても、寄与者名を残すようにしている。

Romain:今後OpenClawはどういう方向に向かう?「今後の 10億規模の個人 AI エージェントの方向性の指針となる「ロールモデル」を提供できてる?」と自分を「開拓者」と見做してる?

Peter:そこに「祖母でも簡単にインストールできるシンプルさ」「ハック可能な面白さ」を両立させたい。多くは「 git clone > build & run 」で動かしていて、ソースコードに直にagentが座り込み、「自らコードを書き換えてくれるエージェント」と化す。「真のセルフモデイファイングソフトウェア」的。

安全業界を中心に今も注目されてるが、「新しい世界観」が見えてないのも事実。例えば僕が作ったWeb Serverは初めデバック用で、後付けで UI を整えた。当初は「ローカルネットワーク(信頼できる環境)下でのみ」という前提だったけど、「ブラックハットの楽園」的な要素も持ちたいがゆえに、アクセス制限オプションを後付けで追加した。

それでも「サーバーをオープンインターネットに晒すな!」と文書で注意喚起を繰り返していたのに、未だに CVSS 10等の重大なセキュリティ問題扱いされる。

「元々そういう用途じゃないから、だろう?」。でも「柔軟なカスタマイズ性ゆえに、想定外の使われ方が拡散してる」というジレンマも。

今後は「使い方やユースケースに合わせた適切なサポート」「不用意なセキュリティリスクの排除」のバランスを模索しつづける。

Romain:まさにそれがオープンソースの醍醐味。思いも寄らない使われ方をされて、新たな価値が生まれる。

Peter:その通り。両方の側面を持ってる。

Romain:初回回「Builders Unscripted: Ep. 1 - Peter Steinberger, Creator of OpenClaw」の感想は?

Peter:僕は「今、テックに関わる多くの人が Code x や Agentic ツールの活用にまだ手をつけてない」と感じる。彼らへのアドバイスは?

ためらわず「とにかく手を動かして、プレーの感覚で」彼らが直面してる現実やカルチャーも大切にしながら。

Peter:Nvidia CEO「短期的には AI に置き換えられないが、AI を活用する側にとって代わられる」と発言しているからね。

Romain:「上手く使える人」に、ね。

Peter:でも「作りたいものを創造し解決したい問題意識があれば」——自律性が高ければ、これまで以上に需要は高まる一方

Romain:今の時期は、クリエイターがこれらのツールを取り込み、好奇心を研ぎ澄ませる「最適なタイミング」であり「アイディアを形にするチャンス」OpenClawを通じて見せてくれたように。

Peter:その通り。「今後 1 年以内に爆発的に広がる」

Raim:2026年って本当に面白い節目になるね。素晴らしい会話のまとめ方だった。Peter、取材に応じてくれてありがとう!サンクス!「次に何をやるのか、待ちきれない!」

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